総合選択度特性について |
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CISPRレシーバは妨害波測定用に設計された特殊な受信機です。その主要な特性はCISPR
16-1-1で定められています。妨害波測定を行う上で受信機に求められる重要な要素の一つとして、「選択度特性」があげられます。微弱な妨害波信号を測定する場合、その微弱信号が復調に必要なIF帯域幅において、強力な隣接チャネルからの妨害を受けることなく受信できることが重要となります。この為、フィルタ遮断特性はスペクトラムアナライザに比べて極めて急峻になっています。この急峻さはCISPRには言及がありませんが、一般には、-6dB/-60dBの帯域幅比(=シェイプファクタ)等として表されています。
CISPR 16-1-1では、この選択度特性を「総合選択度特性(Overall Selectivity)」と称して規定しています。CISPRのBand
A, Band B, Band C/Dの各帯域毎に、それぞれ異なる形状のフィルタ特性を定めています。下記の各図で示す青い線がCISPRで定めているフィルタ形状の許容範囲です。図中の赤い線は実測したフィルタの校正曲線で、CISPRの許容範囲内に入っていることがわかります。
また、これらの特性は受信機の中間周波数段での特性ですので、一つのフィルタ特性は一つの同調周波数で確認すれば充分というのが一般的な理解です。(同調周波数を変えて多くの点で測定しても、あまり意味はありません。)
弊社では、被校正品である受信機のリニアリティ表示エラーを可能な限り排除した独自の校正法を開発し、選択度特性を測定しています。弊社標準校正では、フィルタの通過中心点より、-0.5,
-1.5, -3, -6, -10, -20 dB下がった計6点の帯域幅(Band A/B/C/Dの場合)を測定し、CISPRの許容範囲と照らし合わせています。 |
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** 以下は実際の校正適合例 ** |
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CISPR 16-1-1:2010-01(第3版)にて、Band Aの総合選択度特性の 一部が改定されました。詳しくはこちらをご覧下さい。
下記のBandのグラフは、2006年6月(第2版)の規定内容です。 |
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■CISPR Band A (9kHz to 150kHz, -6dB IF bandwidth is 200Hz) |
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■CISPR Band B (150kHz to 30MHz, -6dB IF bandwidth is 9kHz) |
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■CISPR Band C/D (30MHz to 1000MHz, -6dB IF bandwidth is 120kHz) |
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■CISPR Band E (1GHz to 18GHz, Impulse bandwidth is 1MHz) |
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